労苦
課の刑事がマル被の一人を取り逃がしましてね」


「それはお宅の失態でしょ?我々には関係ありませんが」


「まあ、そうなんですが……」


 言葉が途切れる。


 そして軽く咳払いした後、言った。


「内田晶夫逮捕にご協力願えませんか?」


「……」


 大村が黙り込む。


 これはそっちのことはそっちでやってくれということなのだろう。


 思う。


 警視庁と所轄の溝を作ったのは、吉村たち上層部の責任だと。


 連携が全く出来てない。


「梶間警部、帳場にはいらっしゃってもいいですが、ひとまず三原さん殺害の件はうちの
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