労苦
 軽く息をつき、履いていた現場用足カバーを脱いで、靴を履いた。


 張られていたロープをくぐり、外へと歩き出す。


 ちょうど昼前で、食事時だった。


「橋村君、そこらの定食屋で食事しよう。俺が奢るから」


「いいんですか?」


「ああ。牛丼一杯なら、五百円玉一枚で済むだろ?」


「ありがとうございます」


 橋村も腹を空かせていたようだった。


 店へと歩き、入っていく。


 ちょっと待たされたが、食事はちゃんと取れた。


 牛丼並盛をきっちり一つ食べれば、十分なのである。


 店を出、歩き出す。


 ここ新宿も広い。
< 11 / 666 >

この作品をシェア

pagetop