労苦
 月曜の午後も車で南新宿へと向かう。


 暑い中、殺人のあった現場へ行き、見て回る。


 徒労じゃない。


 事件の起こった日、ここで何があったか?


 そしてなぜ三原は殺害されたのだろう?


 不可思議だった。


 動機らしい動機も見当たらないまま、警察の捜査は空振りになる。


 迷走しているのは分かっていた。


 捜査員が捜査を進めるだけ、労苦の類が増える。


 木曜の朝、自宅マンションで晴海が起こしてくれた。


 疲労があって寝過ごすこともあるのだ。


 体が疲れていた。


 クタクタに。
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