労苦
 やはり普段刑事のいるところは、何かとテンションが高い。


 大村が、


「今回のヤマは、単に殺人事件だけで終わるわけじゃないかもしれませんね」


 と言った。


「同感です。背後には暴力団が絡み、利権の温存に動いてます」


 そう返し、軽く息を吸い込んで、しばらく話し続ける。


 午後四時前ぐらいまでずっと。


 疲れていた。


 辺り一帯の蒸し暑さのために。


 午後四時を回る頃、橋村を連れて、その場を去った。


 あまり帳場に長居すると、戻ってきた捜査員に影響が出ると思って……。




< 145 / 666 >

この作品をシェア

pagetop