労苦
第3章
3
確かに帳場のある南新宿署に行っても、警視庁のデカということで相手されない。
所轄は身内意識が強いのだ。
だが、刑事部長である田村や、一課長の吉村のように、この事件を警視庁が放置しておくことはないだろう。
そう思い、居場所のない捜査本部にわざと首を突っ込んでいた。
「梶間さん、大丈夫なんですか?こんなことして」
「君はもうちょっと心を大きく持った方がいいよ。まだ青侍だ」
器量の問題を言っている。
大抵、若い捜査員は上の人間のことを気にし過ぎだ。
問題は三原伸吾を殺害し、遺体を新宿の路地に遺棄した人間が誰かを突き止めることである。
ずっと考え続けていた。
現場に残されていた被害者のDNAと、もう一つのそれを、だ。
確かに帳場のある南新宿署に行っても、警視庁のデカということで相手されない。
所轄は身内意識が強いのだ。
だが、刑事部長である田村や、一課長の吉村のように、この事件を警視庁が放置しておくことはないだろう。
そう思い、居場所のない捜査本部にわざと首を突っ込んでいた。
「梶間さん、大丈夫なんですか?こんなことして」
「君はもうちょっと心を大きく持った方がいいよ。まだ青侍だ」
器量の問題を言っている。
大抵、若い捜査員は上の人間のことを気にし過ぎだ。
問題は三原伸吾を殺害し、遺体を新宿の路地に遺棄した人間が誰かを突き止めることである。
ずっと考え続けていた。
現場に残されていた被害者のDNAと、もう一つのそれを、だ。