労苦

　暇はない。


　まあ、社会人なら、誰もが時間の管理はしている。


　常に。


　大村とは小一時間話した。


　相変わらず、所轄の捜査員は出払っている。


　署の外に、だ。


　梅雨の関東地方は不快指数が増す。


　ジメジメしていて、蒸し暑いのだし……。


　俺たちはずっと話し続けた。


　大村の業務が滞らない程度に。


　太陽が中空に昇っているのだが、射す光はわずかだった。


　曇り空が広がっている。


　もちろん、通りは人の行き来が激しいのだが……。