労苦
 体は重たい。


 引き摺るようにして、歩く。


 自宅を出て、最寄りの駅から、地下鉄に乗り込む。


 そして揺られた。


 とにかく、まずは組対に探りを入れてもらおう。


 刑事部が動くのはそれからでも遅くない。


 確かに事件自体、風化しているのだが……。


 桜田門に着き、庁舎へ入ると、ピリピリしている。


 やはりそういった場所なのだ。


 思っていた。


 年中変わらないと。


 一課のフロアに行き、橋村が先に来ているのを見て、


「ああ、おはよう」
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