労苦
 橋村を連れて、だ。


 車のエンジンを掛けて、出す。


 橋村を助手席に乗せ、


「今から南新宿署へ向かうよ。構成員の一人が別件で捕まった可能性が高いからな」


 と言った。


「ええ」


 相方は端的に頷く。


 そのまま、車を出した。


 暇はない。


 食事にすら有り付けないことがあるほど、忙しい。


 現役の刑事は。


 ずっと思っていた。


 常に臨戦態勢だと。
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