労苦
すか?」


「……事件捜査のためです。他に意味はありませんよ」


「そうですか。てっきり所轄が吸い上げた捜査情報などを売り渡してたと思ってまして」


「そんなこと、するわけないじゃないですか!」


 大村が激高する。


 たしなめながら、


「気にしないでください。単なる邪推ですから」


 と言う。


 そして、その後、帳場内で話し続けた。


 事件に関する情報を交換する。


 神宗会の本園はまだ勾留中だ。


 巡査部長の石川が、しっかりと締め上げるつもりでいるらしい。


 その日も午後六時前まで帳場にいて、その後、いったん警視庁に戻った。
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