労苦
 ちょうど土曜の午後10時過ぎに警視庁を出、翌日日曜の午前7時過ぎにまた自宅を出る。


 晴海も疲れているようだった。


 俺の忙しさが乗り移ったようで。


 出勤すると、生田の取調べは別の刑事がやっているようで、俺も橋村も別の仕事に回った。


 日曜丸一日と、月曜の午前中は、フロア内で課内庶務をこなす。


 普段捜査畑にいる警察官でも、庶務などの雑事は付き物だ。


 年々、この手の仕事が増えている気がする。


 刑事も楽じゃない。


 痛感していた。


 月曜の午後、一課のフロアを出て、地下駐車場から車を出す。


 橋村を助手席に乗せ、


「今からまた南新宿署に行くよ」


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