労苦
 雑用にも。


 警察の仕事など、捜査以外にもいろいろあるのだ。


 どれも一見無駄のようで、実際は欠かすことが出来ないものなのだし……。


 ちょうど午前11時になり、いったんパソコンから離れて、橋村に、


「そろそろ行くよ」
 

 と言って促す。


「はい」


 橋村もマシーンから離れ、フロア出入り口へと歩いていく。


 他のデカたちとは別行動だ。


 だが、仕方ない。


 所属する強行犯八係の刑事は、俺たちと一線を画している。


 係長の水谷の監督不行き届きだった。


 地下駐車場に降りると、停めていた車に乗り込み、エンジンを掛ける。



< 259 / 666 >

この作品をシェア

pagetop