労苦
 捜査は昼からになるだろう。


 それまでずっとフロアにいた。


 連日猛暑で、体がだるい。


 だが、抱え込んでいる案件があると、それに向かわざるを得ないのだ。


 暇がない。


 俺にも、橋村にも。


 ちょうど昼になり、揃って、庁舎近くの蕎麦屋で蕎麦を啜った。


 そして警視庁に戻り、地下駐車場から車を出す。


 今日も南新宿へ行くつもりでいた。


 疲れた体にエネルギーを注ぎ込んで。


 車を運転する。


 橋村が助手席に座っていて、


「梶間さん、矢野原監察官はまだ行方が分かりませんね」
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