労苦
 時代が変わろうと、だ。


 身辺には十分気を付けるつもりでいた。


 普段から、事件捜査に従事しているのだから、与太者から何されるか分からない。


 そういった恐怖にも怯えていて……。


 そして二日が経ち、土曜になった。


 朝から警視庁本部庁舎の捜査一課フロアに詰める。


 橋村も来ていて、互いに課内庶務をこなした。


 庶務が終わり次第、フロアを出て、南新宿の現場へ行くつもりだ。


 夏場の暑さと、利き過ぎたエアコンで疲れが出る。


 正午になって、椅子から立ち上がり、橋村に、


「今から飯食って、その後、現場に出よう」


 と言う。


「ええ」





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