労苦
第35章
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 午後5時過ぎに南新宿署を出て、車を停めている駐車場に向かった。


 ドアロックを解除し、車内に入る。


 若干熱が残っていた。


 蒸すような生温い空気が、である。


 エンジンを掛け、ハンドルを握ってから、アクセルを踏み込み、車を走らせた。


 そして警視庁へ向かう。


 気分が落ち着かない時は、精神安定剤を頓用することがあった。


 俺も本当に仕事の合間の極わずかな時間を縫って、精神科に行くのだ。


 医者は「無理するな」と言い、疲れたら休むよう勧める。


 どうやら精神疾患というのは、永遠に治らないらしい。


 遺伝などの関係で。


 警察内ではマル精などと言って、精神病患者を貶める隠語を使っていたが、俺自身その一人なのである






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