労苦

　キーを叩きながら、作業した。


　思う。


　警察官も大変だと。


　いろいろあるからだ。


　事件があれば、本庁と所轄のそれぞれのデカの思惑は交錯するのだし……。


　その日も庁内の食堂で食事を取り、昼過ぎには警視庁を出た。


　南新宿へと車を出す。


　橋村が助手席で買っていた缶コーヒーを飲み、眠気を覚ましているようだった。


　互いに気を張る。


　しっかりと捜査するつもりで。


　気持ちを入れ直した。


　三原を殺害した犯人を見つけ出すために。


　現場に着き、辺りを辿って行きながら、そのまま南新宿署へ入っていった。