労苦
 そしてスマホを取り出し、見ながら、


「今しばらくの辛抱ですね。組対もいずれ動きますし」


 と言う。


 思っていた。


 これから橋村と組み、事件捜査をする以上、仲良くしておく必要があるなと。


 隣の席に座っている青年刑事は、まだ若い。


 もちろん、警察官としては未熟なのだろうが……。


 知恵や力を出し合う必要があった。


 南新宿の街に着き、車を停めてから降りる。


 現場を一通り見て回った後、辺りに所轄の捜査員が複数名いることを目で確認した。


 そのまま、コンタクトを取ることなく、南新宿署へ向かう。


 刑事課には前田と石川、それに他に数名の刑事がいて、執務をしていた。


 石川が目敏く見つけ、
< 326 / 666 >

この作品をシェア

pagetop