労苦
 そう感じていた。


 そしてまた週が一つ明け、水曜になり、通常通り出勤する。


 警視庁内は朝から慌ただしい。


 十階の捜査一課フロアに入っていくと、橋村が来ていて、デスクでパソコンに向かっている。


「おはよう」


「ああ、おはようございます、梶間さん」


 部下がマシーンのディスプレイから一瞬目を上げ、言った。


 そしてまたキーを叩き始める。


 フロア内には複数の係の詰所があった。


 八係も水谷が係長なのだが、俺たちに指図することはない。


 まあ、それならそれでよかった。


 部下が絶えず動くしかない。




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