労苦
「内田を射殺しても、事件はまだ解決してませんからね」


「そうだな。……気を抜けないね」


 一言言ってパソコンを立ち上げ、キーを叩き始める。


 まだ疲労は残っていた。


 だが、ようやく捜査が動き出したと思える。


 ここで焦るとまずい。


 気を落ち着けて、行動するつもりでいた。


 昔から冷静さはある。


 慌てることなく、一つずつ解決していくのだ。


 そういった沈着さが俺を刑事にしている。


 もちろん、安定剤などは服用しているのだが……。


 思っていた。


 緊張感が過度にあると、はかどることもはかどらないと。




< 359 / 666 >

この作品をシェア

pagetop