労苦
第４４章
　　　　　４４
　その日も署内の帳場で、午後六時ぐらいまで意見交換した。


　そして警視庁へ戻る。


　疲労はあった。


　だが、殺人事件を主要案件として扱っている以上、気は抜けない。


　問題は神宗会関係者の方に移る。


　三原伸吾を殺害したのは、おそらく当山謙太ら神宗会構成員だ。


　被疑者と目される当山は、三原からデータの詰まったフラッシュメモリを奪い取った。


　同じ構成員の池上徹と田無賢一郎は当山と組内で争う反面、データを回収しているのだ。


　内部で構成員同士、利害関係があったことは間違いないものと思われる。


　俺の頭にもどこかしら引っかかっていたことだった。


　だが、フラッシュメモリが現存するかどうか、疑問である。


　詰まった内容は多分恐ろしいものだろう。
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