労苦
 問題は奪われたフラッシュメモリだ。


 中に一体何が詰まっているのか?


 分からない。


 だが、神宗会関係者にとってネックとなるような情報が入っているのだろう。


 それを三原から奪うことで、肩を付けるのかもしれない。


 午後1時を回る頃、前田が署へと戻ってきた。


「ああ、梶間警部、橋村警部補。お疲れ様です」


「ああ、前田さん。……外回りですか?」


「ええ。俺たちもずっと街を巡回してるものですから」


 前田がそう言い、疲れた顔を見せる。


 おそらく、疲労が取れないのだろう。


 捜査が続いていて。


 前田先導で、いつも使う帳場へと向かう。


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