労苦
 刑事は常に事件現場を見る。


 今も昔も変わらない。


 確かに科捜研などによる科学的捜査が発達し、今の警察は捜査に関して、かなり楽になった。


 犯罪者たちはどんなに巧妙に逃げ回っても、いずれ捕まる。


 科学的捜査の集積がホシを逃がさない。


 そういったことがだんだんと定着しつつあった。


 その日も午後1時過ぎに、南新宿署へと着く。


 刑事課には前田と石川がいた。


 石川が、


「こんにちは、梶間警部、橋村警部補」


 と言ってくる。


 軽く一礼し、いつものように、話の場として使う帳場へ向かった。





< 406 / 666 >

この作品をシェア

pagetop