労苦
 逃げ回っていても、足が付くのに……。


 警視庁付の監察官が悪事を仕出かして逃亡するなど、前代未聞だ。


 思っていた。


 いずれは矢野原も逮捕しないといけないと。


 まあ、別に今考えることじゃない。


 順を追って考えていけばいいことだ。


 前田が淹れたコーヒーを飲みながら、事件捜査の話をした。


 まだ午後2時過ぎだから、たくさん時間がある。
 

 ICレコーダーを回し、記録を録った。


 とにかく今の俺たちに出来るのは、こういった地味な仕事だ。


 焦らない。


 そう思い、業務を続けた。


 この所轄の捜査員も外回りなどをして、いろいろ調べている。


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