労苦
 別に事件捜査が長引こうが、それに付き合っていくぐらいの根気強さとか忍耐力はあった。


 だから、早急に事件が解決するとは思ってない。


 一つ一つ念を入れる。


 今すぐに全ての事実関係が判明するわけじゃない。


 そう思い、腰を据えて、捜査するつもりでいた。


 焦らずに、だ。


 昼になり、橋村と共に警視庁の食堂で日替わり定食を食べた。


 そしてそのまま地下駐車場へ向かう。


 地に足を付けろ。


 そう言い聞かせていた。


 浮つかないように、である。


 車両を新宿方面へ走らせた。


< 423 / 666 >

この作品をシェア

pagetop