労苦
 いずれこの事件のホシは、俺たち警察官の前に現れる。

 
 三原社長を殺害し、データの詰まったフラッシュメモリを奪い取った人間は、使用された凶器に付着していたDNAから察するに、神宗会の当山謙太である疑いが濃厚だ。


 そして当山には共犯者がいる。


 今回の死体遺棄事件も、全ては仕組まれたことだった。


 神宗会の人間たちの私利私欲によって。


 きっとフラッシュメモリにはまずい類のデータが詰まっていたのだろう。


 そう踏んでいた。


 捜査は大変だ。


 特に今回の事件は、暴力団が絡んでいるので、いずれは組対が出動することになる。


 警察もバカじゃない。


 通常通り出勤し、朝から捜査一課のフロアに詰める。


 午前中、パソコンに向かい庶務をこなした。




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