労苦
 桜田門駅から地下鉄に乗り込み、家へと戻った。


 晴海が出迎えてくれ、遅い夕食を共にし、入浴した後、眠る。


 さすがに一日が終わると、一安心するのだ。


 だが、また昼間は戦場である。


 慣れてはいるのだが……。


 そしてまた時間が流れる。


 翌週の木曜も朝起き出し、出勤準備をしてから、通常通り桜田門へと向かう。


 午前8時20分には捜査一課フロアに着き、パソコンを立ち上げてから、仕事を始める。


 橋村が来ていて、先に業務を開始していた。


 警察官というのは、実に因果なものである。


 人を疑うのが仕事だから。


 事件捜査には知力と体力の両方を使う。


 とにかく俺も踏ん張っていた。



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