労苦
 年末は慌ただしい。


 都内はどこでもそんな感じである。


 署に入り、刑事課に行くと、前田も石川も出払っていた。


 おそらく外回りだろう。


 橋村に一言、


「俺たちも外見て回ろうよ」


 と言うと、相方が頷いた。


 そして歩き出す。


 足が痛い。


 連日、捜査でここ南新宿の街に来て、歩いているからだ。


 ほぼ毎日通い詰めている。


 まあ、デカなど現場百遍だ。


 気の済むまで、見て回るのである。



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