労苦
 まあ、心身両面で負荷が掛かるから、仕方ないのだが……。


「梶間さん、組対は何で動かないんでしょうね?」


「俺もそう思ってたんだけど、いずれ神宗会事務所はガサ入れされるよ。……もうちょっと待った方がいい」


 一言言って、軽く息をつく。


 しっかりとハンドルを握り、安全運転した。


 南新宿のすっかり見慣れた光景を眺め、車を駐車場に停めてから降りた。


 そして歩き出す。


 辺りを一通り見て、被害者である三原がゴルフクラブ様の凶器で撲殺されたことを脳裏に浮かべ、そのまま南新宿署へと向かう。


 署内は歳末で慌ただしい。


 前田たち捜査員も出払っていた。


 その日もいったん署を出、街を巡回する。


 やはり所轄のデカたちも、いろいろと事情があるのだろう。



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