労苦
第61章
     61
 その日も遅い時間まで外にいた。


 だが、さすがに長時間寒風に吹かれると、疲れる。


 午後6時過ぎには停めていた車に乗り込み、助手席に橋村を乗せて、走らせた。


 千代田区は官庁街だから、夜間は人口が減る。


 警視庁に戻り、十階の捜査一課フロアへと入った。


 パソコンがスタンバイ状態になっていたので、作業画面に戻し、キーを叩く。


 残務をこなし、仕事が終わってから、マシーンをシャットダウンした。


 フロアを出て、帰宅する。


 ワンフロアに大勢の捜査員がいるのは、今も昔も変わらない捜一の光景だ。


 そしてまた時が流れる。


 翌週の土曜になり、通常通り午前8時20分には出勤した。


 幾分疲れがあるのだが、いったん職場に行けば、後はフル回転である。


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