労苦
 職務を全うするのに、いろいろと工夫を凝らすのだ。


 地下鉄が桜田門駅に着くと、降りてから、警視庁本部庁舎へ歩き出す。


 朝から重たい。


 体が。


 だが、追っている事件がある以上、そうも言ってられない。


 思っていた。


 ずっと暇がないと。


 まあ、今の季節、春から夏に掛けて体調が崩れやすいのだが……。


 そして一課のフロアに入り、デスクへと向かう。


 いつも橋村と一緒にいても、どこかしら孤独だ。


 独りで踏ん張るところがある。


 確かに橋村は優秀な相方だ。


 警察内ではろくな仕事の回ってこない俺に付けておいて、もったいないぐらい。
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