労苦
 銃器や、ヤバいクスリなどは流し放題だ。


 ここ南新宿でそれを一手に請け負っているのは、神宗会の人間たちである。


 思っていた。


 このままだと、まずいと。


 いずれ組対も水面下での動きから態勢を切り替えて、動き出すだろう。


 暴力団の取り締まりに関しては、待つ方がいい。


 そう感じながら、刑事としての仕事を続ける。


 単調だが、それが現実だった。


 そして時は流れる。


 その日の午後は、ずっと街を見ていた。


 神宗会の当山謙太、それに同じく構成員の池上徹、田無賢一郎の三者が捜査線上にある。 


 主犯はDNAが残っていた当山だとしても、池上や田無も関与しているだろう。


 警察も主にこの三人をマークしている。




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