労苦
 橋村も気を張っているようだ。


 眠気やふらつきが来ないように――とだろう。


 新宿方面へと走らせる。


 通い慣れた道だ。


 日々ずっと。


 新宿区内はビルやホテルなどが多い。


 車を停め、降りてから歩き出す。


 辺りはたくさんの人が行き交い、モノなども絶えず流れる。


 俺たちにも事情はあった。


 殺人事件の捜査が長引くと、通常業務が滞ってしまう。


 それが一番のネックだった。


 だから、早く三原殺害のホンボシを逮捕したい。


 そう思っていた。
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