労苦
「梶間さん」


「何?」


「事件解決しますかね?」


「ああ、大丈夫だよ。警察はきっと三原社長殺しを暴き、神宗会を摘発できる。間違いない」


「だといいんですが……」


 相方は弱腰になっている。


 まあ、そうだろう。


 事件は膠着しているのだから……。


 南新宿に着き、冷え込む中、街を歩く。


 殺害現場の様子は、ほぼ変わらない。


 感じることがあっても、そう深くは気に留めず、見て回るのだ。


 所轄に行くと昼過ぎで、前田も石川も出払っていた。



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