労苦
 殺人の捜査は一課が引き受けるにしても、暴力団関係の事後処理は組対がやることになる。


 まあ、もちろん、そういったことは警察社会では日常茶飯事だ。


 実際、俺だって場数を踏んでいる。


 慣れがあった。


 いいか悪いかは別として。


 雨が降り続いていた。


 幾分強い感じで。


 傘を差しながら、歩いた。


 コーヒーが飲みたくなり、通りの自販機で缶コーヒーを二缶買って、片方を橋村に渡す。


 お互い渇いていた喉を潤した。


 まだ、街の探索は続くので。


 コーヒーを飲み終わった後、空き缶をゴミ箱に捨てて、歩き続けた。
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