労苦
 と言ってくる。


「今からお話しましょう」


 そう返すと、石川が頷き、帳場の方へと向かった。


 俺たちも付いていく。


 神宗会の構成員たちも行方を晦ませ、警視庁付の監察官である矢野原も逃げている。


 事件自体、澱んでいた。


 薄気味悪く。

 
 だが、それでも進むしかない。


 もう三月だ。


 時間はあっという間に経つ。


 思う。


 これからいろいろあっても、まっすぐに行くしかないと。


 石川が帳場に案内してくれ、そこで話をした。



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