労苦
 そしてまた平常通り、勤務が続いた。

 
 時が流れ、翌週の木曜になる。


 朝起きてコーヒーを一杯淹れ、飲んだ後、スーツに着替えて出勤した。


 何かしら、心の中がモヤモヤしている。


 季節のせいだろう。


 そう思い、あえて感情を伏せ、出勤途中の電車内でスマホを見る。


 午前8時20分には警視庁に着いた。


 十階の捜査一課フロアで、パソコンを立ち上げる。


 俺自身、何事も自力でやってきた。


 安易に他人に頼ることをしたくない。


 いつもそう思っていた。


 橋村に一言、朝の挨拶をし、作業を始める。


 キーを叩き、庶務をこなした。
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