労苦
 橋村と示し合わせ、署を出た。


 街を歩きながら、思う。


 倦怠すると。


 だが、休む間はない。


 歩き続ける。


 入庁して長いから、事件捜査にも慣れてしまっていた。


 時折立ち止まり、スマホで位置情報などを確認する。


 本庁の組対部は必ず動くだろう。


 それを根気強く待つつもりでいた。


 別に事件捜査が永久に続くわけじゃない。


 警察だって、限界があるのだ。


 それにいろんな事情があったとしても、いずれは終わる。


 思っていた。



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