労苦
「何でしょう?」


「個別の案件とか何とか言ったが、いつも泥を被るのは俺たち所轄なんですよ」


「それは立場が弱いからですよね?」


「ええ。よく分かってるじゃないですか」


 大村がそう言った後、軽く咳払いし、


「三原伸吾殺害のヤマは、あくまでそちらの上の方たちが丸投げされたんです。下手な横やりは入れないでいただきたい」


 と言葉を重ねる。


「分かってますよ」


 一言言ってフロアを出た。


 橋村が、


「梶間さん、あの連中からバカにされてますよ。いいんですか?」


 と言ったので、
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