労苦
 朝早く出勤し、淡々と仕事をこなす。


 若いから、朝の早い時間帯は眠気が差すだろうが、橋村はきついなどとは言わない。


 安心できているのは、そこの点だけである。


 刑事など、凶悪事件に巻き込まれれば、いつ命を落とすか分からないのだし……。


 いつも拳銃や警棒は携帯している。


 何かあってからでは遅いので。


 午後1時前に新宿区に入り、南新宿に行った。


 車を降りて、辺りを歩き出す。


 三原社長殺害の現場を見てから、そのまま所轄へと向かう。


 刑事課には、前田がいて、


「ああ、梶間警部に橋村警部補。お疲れ様です」


 と言ってきた。


「意見交換しましょう」
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