労苦
 俺も橋村もじっと聞いていた。


 警視庁付の監察官が殺人の片棒を担ぎ、警察に追われている。


 本来なら有り得ないことが巻き起こっていた。


 思う。


 関連するヤマが、一気に解決に向かうかもしれないと。


 そこまで現実は甘くないもしれないが……。


 だが、力は着実に入った。


 獲物はすぐそこにあると思い……。


 淹れてあったコーヒーがやけに苦く、口の中が苦み走る。


 エスプレッソは飲み慣れているはずなのだが……。


 ICレコーダーは回していた。


 記録を録るために。


< 605 / 666 >

この作品をシェア

pagetop