労苦
第91章
     91
 その日は仕事を終えて、クタクタに疲れ、家に帰ってきた。


 晴海が出迎え、一緒に食事を取る。


 そして混浴し、同じベッドで朝まで眠った。


 一日挟み、その週の土曜になる。


 矢野原爆死で、最悪の雰囲気が一課内に漂いつつあった。


 だが、俺も通常通り出勤したのだし、橋村もいる。


 揃って午前中はデスクで庶務をこなす。


 皆、黙っている。


 三原伸吾殺害事件で、事件に関係していると目される人間たちが次々にいなくなることは、捜査の進捗を妨げる。


 だが、事件捜査など所詮そんなものだ。


 警察の思う通りにはいかない。


 そして神宗会の人間たちは、まだ南新宿を中心に活動している。
< 620 / 666 >

この作品をシェア

pagetop