労苦
 正午になり、庁内の食堂で食事を取って、そのまま地下駐車場へと向かった。


 新宿に行く。


 何ら新鮮さはない。


 単に同じことを繰り返すだけで、変わらない。


 だが、事件捜査など所詮そんなものだ。


 橋村と共にそう高を括っていた。


 時間の重要さを感じる。


 時は金なりだ。


 後悔したくないから、今やるべきことをやる。


 現場に執拗に張り付くのも、それが故だった。


 その日も殺害現場を検証しながら、辺りを歩く。


 相方ももちろん付いてきた。


 互いに歩き回り、事件当初のその場の様子を思い描く。
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