労苦
 そのリズムで回っていた。


 人間いろんなことを抱え込むのだから、健康が一番。


 常にそう思い、日々やっている。


 今回の一連の事件はどうやら解決し、大団円となりそうだった。


 捜査が終われば、また一課での通常業務に戻れる。


 橋村も落ち着いていた。


 お互い安堵しながらも、仕事をこなす。


 午後3時過ぎからの本庁での記者会見で、吉村一課長と川中組対部長が事件の全貌と解決への経緯につき、説明した。


 三原伸吾殺害犯の当山は田無賢一郎によって口を封じられ、新宿区内のホテルに遺棄されたことが分かる。


 そして三原から奪い取ったデータは抹消され、今はもうないということも判明した。


 一課・組対の別なく、警察職員の労苦が、事件を解決へと持っていったのだ。


 橋村と一緒にその会見を中継で見ていて、思う。



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