労苦
 暴力団組員が事件に関わった可能性が、極めて高いからである。


 組対も動いているようだ。


 アンダーグランドでずっと。


 まあ、考えてみれば事情は複雑である。


 そしてちょうどその週が明け、約一週間後の翌週土曜も俺たちは現場を見て回った。


「梶間さん」


「何?」


「これって徒労なんじゃないですか?」


「君は警察官だろ?なぜ労を惜しむんだ?」


「いえ。ですが、もっとスマートな捜査方法があるんじゃないかと思いまして」


「スマート?」


「ええ。手際よくホシを挙げる方法ですよ」


「あのね、それが出来れば警察は苦労しないんだ。もっと泥臭くなりなさい。それが上司


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