労苦
第2章
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事件現場に到着し、先に来ていた南新宿署の刑事たちに声を掛け、丁寧に一礼した。
「遺体は先ほど、東京中央監察医務院の解剖医の先生方が搬送されました」
鑑識課の男性課員である上田がそう言い、俺や橋村に簡単に遺体の損傷状況などを説明する。
「殺害されていたのは都内在住の三原伸吾さん、四十五歳で、死因は後頭部殴打による脳挫傷です。現場から害者の血痕と、もう一つのDNAが見つかりました」
「もう一つのDNA?それは誰の物?」
そう問うと、上田が、
「おそらくホシの物でしょう。前歴者に該当するかどうか、科捜研が調べてくれますので、今しばらくお待ちください」
と言い、軽く息をつく。
「マル害に関する情報はもうないの?」
「梶間警部、もうちょっと落ち着いてくださいよ。そんなに次から次に証拠が出るわけじゃないんですから」
事件現場に到着し、先に来ていた南新宿署の刑事たちに声を掛け、丁寧に一礼した。
「遺体は先ほど、東京中央監察医務院の解剖医の先生方が搬送されました」
鑑識課の男性課員である上田がそう言い、俺や橋村に簡単に遺体の損傷状況などを説明する。
「殺害されていたのは都内在住の三原伸吾さん、四十五歳で、死因は後頭部殴打による脳挫傷です。現場から害者の血痕と、もう一つのDNAが見つかりました」
「もう一つのDNA?それは誰の物?」
そう問うと、上田が、
「おそらくホシの物でしょう。前歴者に該当するかどうか、科捜研が調べてくれますので、今しばらくお待ちください」
と言い、軽く息をつく。
「マル害に関する情報はもうないの?」
「梶間警部、もうちょっと落ち着いてくださいよ。そんなに次から次に証拠が出るわけじゃないんですから」