労苦
 課内庶務もこなすのだ。


 警部補の島谷も普通に仕事を始めている。


 相方で警部補の滝田がニューヨークに行っていて、不在となると、事件捜査には当分参加できない。


 熊谷警視総監もよくそんな命令を下したものだ。


 俺だったら、海を飛び、海外で生活することなど到底出来ない。


 午前十時過ぎに橋村に促し、一課のフロアを出た。


 一課長の吉村は、田村刑事部長と共に定例会議に出席しているらしい。


 フロア内は、係長級以下の刑事しかいない。


 心の奥底で思っていた。


 事件は迷走し始めていると。


 確かに疲れる。


 蒸すように暑いのだから……。



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