自称異物少女と誠の武士
第一章 久々の外出はかなりの遠出となりました
誰も来るな。近付くな。
そう思いながら暗い部屋の中に閉じ籠っていた。
何もいらない。
こんな世界なら必要ない。
同じ考えばかりをめぐらせ、一日、また一日と過ぎていくのだった。
そして今日もそのはずだったのだが……。
「毎日毎日毎日毎日。部屋に籠ってダラダラダラダラしてんじゃないの。たまには外に出て、太陽の光でも浴びてきなさい」
そう言って母親のつまみ出されたのだった。
ついてない。全然ついてないよ。
なんでこんなことになるんだか。
今帰ったって鍵がかかってて家には入れてもらえないから部屋の籠れない。
「困ったな」
誰に言うわけでもなく呟く。そしてそのままぶらりぶらりと歩きだした。