自称異物少女と誠の武士





そんな気はしていた。



大分前から副長には勝てないと悟っていた。



それでもやはりと思ってしまう俺は未練がましいな。



「気持ちを伝えるのか?」



「はい」



迷いのないまっすぐな顔で答える彼女は凛々しくたくましかった。



速く行くように促すと、一礼をして去っていく。



「頑張れ」



離れていく愛しい彼女の背中に向けて呟いた。




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