自称異物少女と誠の武士
「恋人を待たせるとはどういうつもりだ」
「煩い、糞土方コノヤローの癖に調子に乗らないでくださいよ。胸糞悪い」
酷い言い草ではあるが、まだ恋人という肩書に慣れないのだ。
気恥ずかしさが勝ってしまう。
「おい糞ってなんだ。あと調子になんて乗ってねぇよ」
「安心してください。私なりの照れ隠しです」
「安心できるかぁぁぁぁ」
この先もずっとこの人のそばにいたい。
もう私は異物じゃないから。
完