自称異物少女と誠の武士
副長の告白を断ってからも憎まれ口を叩く仲のままで、彼女は服直の小姓のままだ。
不安がないと言えば嘘になる。
しかし俺と桐谷が恋仲であることは副長にすらも話していない。
相手が副長であることも相まってあまり強くは言えなかった。
「ちゃんと聞いててくださいね。今夜また島原に行くことになったんですよ……」
「もしかしてまた……」
「あぁ違いますよ?潜入じゃないんで。原田さん達の付き添いです」
面倒臭そうに言うと、畳の上に寝転がる。
いくら気を許しているとはいえ、男の部屋で寝転がるのはいかがなものか。
他のところでもやっていないか心配になる。