自称異物少女と誠の武士





夜になり、ふと気になって桐谷の部屋の前を通る。



灯りは点いておらず、まだ帰ってきていないようだった。



自室に戻ろうと踵を返した時、桐谷をおぶった副長が歩いてくる。



「何してる、こんなところで」



「たまたま通りかかっただけです。それより桐谷に何かあったんですか?」



「いや、こいつ飲めねぇ酒を飲んで潰れたらしい。あれだけ飲ませるなって言っておいたのに……」



呆れたように言って、副長が桐谷を見る。副長の視線を見て、まだ桐谷を好きなことは十分伝わった。




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